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7月の朝粥会

本日も6時より本堂にて朝粥会のお勤めをいたしました。

小雨が降り足元も悪く、薄暗さ残る朝だった為、お越しになる方は少なめであろうと予想しておりましたが、18名の方にお越しいただきスタッフと合わせて20名を超す賑やかなお粥会となりました。

本日は本堂が改装中、そして正面の扉の作業を進めている最中という諸々の事情があった為、戸を開けたままでのお勤めとなりました。
現在、宝性寺ではエレベーター塔と庫裏会館、そして本堂正面にも足場が組まれ、お参りする際、たいへんご迷惑をお掛けしております。

便利になる時代で変わりゆく時代。その時代の流れの中でのお寺の役目、祈りとは何なのかを共に考える場の朝粥会はありますという事のお話をさせていただきました。

つまりはお寺は何も答えを持ち合わせていないかもしれませんが、お寺という場を通して出会い、そしてその方々と共通の祈り、寂しさ、苦しみなどを語り合える場となっていることを願っているということをお伝えさせていただきました。

こんな事を最近聞いたのでお話させていただきました。
我が叔母からの話。80歳を超す伯母がバス停でバスを待っていて、次のバスの時間を探していたら、更に年上の女性がスマートフォンで調べてくれたそうです。
その話を私の母にしたところ、ボケ防止に私も使ってみたいと言い出したのです。

スマートフォン。70歳、80歳を超す方にはこの名前だけでとても遠い世界の話と感じる方が多いのかもしれません。そしてとても高価で贅沢なものであるとお思いになるかもしれません。

うちの母や叔母もそう思っていたようです。
しかし”百聞は一見に如かず”ではないですが、たった1人の女性との出会いが少なくとも2人の人生に関わったのです。

こうやって人は繋がっていくつになっても成長させてもらっているんですよね。

という事で、今日のお勤め会の写真はスマートフォンで母に撮ってもらいました。
手順はカメラ起動まで3手順、スマートフォンを使いたいならまずは慣れてみようと渡しましたら、前向きに触ってしっかり写真を撮ってくれました。

ボケ防止にバス停の女性のお知恵が繋がった瞬間でした。
宝性寺に年内中にエレベーターが設置されます。贅沢なものなのかもしれません。しかしお年寄りが増え、足腰の悪い方が増えれば、お寺へ足を運べなくなる方が増えることが今以上に予想できます。お寺はどなたさまもお年寄りが気軽に来れる場所、そしてそこに同世代の方、共通の悩みなどを語らえる場所となり、時の問題と向き合っていただければと思っております。

誰かの一言、誰かとの出会いにより後世と繋がっていただけるよう、それが宝性寺の役目と信じて、日々祈りに寄り添っていたいと思っております。
今日は朝粥会参加者より気持ちのこもった1000本を超す手書き絵ロウソクのご奉納がありました。本当に感謝でいっぱい。いつもありがとうございます。
早速、本日お越しの皆さまにお渡しさせていただきました。

このような出会いを繋いでいきたいと思っております。
次回8月の朝粥会はお休みをさせていただきます。
次回は9月21日な朝6時よりお勤めを開始します。ご気軽にどなたさまもご参加下さいませ。

本日は足元の悪い中、お越しいただき誠にありがとうございました。

合掌