令和4年 お盆供養

台風接近予報も多くのお墓参りに溢れました
大切な仏さまが一年に一度、ご自宅に戻られることを信仰という願いで守られてこられた祈り溢れる尊い時期がやって参りました。

令和4年 お盆の季節です。

大切な仏さまがお戻りになられるのであれば、お迎えしなければと多くの願いにより守られてこられた御霊を想う大切な信仰行事です。

宝性寺のさいたま市南区の地区では8月13日からお盆として多くの方がお墓参りにお越しになられ、令和4年8月13日は台風接近の予報にも関わらず多くの方がお墓参りにお越しになられておりました。

そしてこの地区のお盆では、仏さまをお迎えになられて後、寺方がご自宅へお経を唱えにお伺いさせていただいておりました。

ご自宅ではお戻りになられたご先祖、仏さまをお迎えするのに精霊棚を作り祀られ、親戚親族が集まり、その精霊棚を囲み昔を懐かしみお話や食事をされていました。

そのお集まりの中、寺方が伺いご先祖供養を皆でするというのが一つの風習でもありました。

時代が流れ、ここ10年ではその様相は様変わりをし "ご親族が集まる中での読経(棚経)" という光景はほとんどなくなりました。
そして新型コロナウィルス感染の報もあり、一つの風習の変わり目を感じている中、今年も檀信徒の皆さまが安らぎに包まれたお盆供養を共に過ごさせていただきました。

宝性寺の関係者は先代の想いを大切になされ変わらず皆さまご先祖を大切になされおられます。
ただ棚経を待つという時間、寺方としては待たせてしまうという時間に一抹の憂いを感じ、10年ほど前より"お経の功徳をお参りされた方はお託しする"ということを一つのお盆供養の文化としてご案内をさせていただいておりました。

「ご供養、祈る想いは生活様式に合わせて変化をし人の御心で守られ、先に逝かれた御霊への礼を尽くしてこられました」

ご先祖への礼、お手向けの御心の大切さ。

このことを絶対に忘れずにということを軸にお盆の先祖供養に寄り添わせていただきたいと願い10年ほど前より一つのお盆供養のご提案をさせていただいておりました。

この想いを軸にご提案(ご自宅で待たれている方が大変そうと感じたので)ご案内をさせていただき、昨今の新型コロナウィルス問題が起こりました。

昨年より本堂で施主さまとご先祖さまのお名前を読み、お経を唱えさせていただく事でのご供養をする方が増えました。

13日に本堂で朝7時から18時まで毎時間その盆供養法要を行いました。
ご都合のよいお時間、お墓参りにお越しになるお時間に合わせてのご供養ですのでご家族お揃いでのお経を聞いていただく機会も増、お話させていただ供養機会も増えておりますので、昔の懐かしいご自宅の雰囲気をお寺でさせていただ居ている感じでした。

宝性寺盂蘭盆回向ノ証というお軸にお盆供養のお経の功徳を託し、お参りされた方へお経をご自宅へお連れいただきます。

宝性寺とご縁ある方の多くはご自宅仏壇のご本尊と宝性寺ご本尊と繋がられおります。宝性寺のご本尊は宝性寺関係者皆さまのご本尊です。
そのご本尊を前にお唱えさせていただいたお経がご自宅に喜ばれて届けられる事を願いお経をお唱えさせていただいております。

本当にご安心いただきたいと思っております。

今年は台風も接近し、お墓参りに来られたご家族が避難するように本堂でのお勤めに参列された方もおられ、そこでご先祖、なき御霊改めてを感じ、涙なされる方もおられました。
改めてお互いの想いを感じ合われたお時間をお過ごしになられておられました。

このように本堂での盆供養を長々と書くとそこを推奨しているように見えてしまうかもしれませんが、その意図は全くございません。

ご先祖を想うという先人の深き祈りは親族で分かち合う時間として守っていただけたらと、ふと思ったからです。
「お墓参りと棚経」という文化があってお盆なのだよと伝えていただきたいと願っているからです。

本堂ではそのような法話もさせていただいております。
その話を聞いて、また自宅精霊棚を囲み親族が話する想いに溢れる時代になることを心から願っております。

今年も多くのお盆供養の想いに触れさせていただきお話させていただきました。

沢山のお知恵を頂戴し感謝いたします。

合掌